19歳の輪郭
著:良始澪 / 絵:うさくん
母の墓に花を供えた。十歳の頃のことだった。
育てた母と別れたあとで、僕は人間になることを選んだ。
僕を拾った最初のニンゲンは、「自分で決めろ」といつも繰り返していた。
その人と別れて次に出会った人間は、「実践すること」を実際に自分で行動することで示た。
久しぶりに、その生徒たちに会った時、彼らは道に迷っていたが、教えを実践することを思い出して旅立っていった。
彼らの背中を最後に見てから、十年程になる。
彼らと同じ十九になった僕は、彼らの背中を追えているだろうか。
PV
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地下図書館の女生徒たち
著:良始澪 / 絵:うさくん
母と兄と死別して、僕が小さい頃暮らしていた地下壕図書館には、女の子が二人だけ混ざっていました。
二人とも早くに地下図書館からいなくなった気がするので、過ごした時間は短かったので、僕にはあまり記憶がありません。
ただ、片方は内戦の間に死んだと随分後になってから聞きました。
名前はラトナとミランシャ……だったかな。
彼女たちの人生については、僕は知りません。
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うりぼうに罪はない
著:良始澪 / 絵:うさくん
姫様の領地の鉱山で拳銃密造をしている人がいるようです。
また姫様の思いつきで、自分で取り込みい行くと言い出しました。
途中で拾ったうり坊と一緒に姫様を追いかける僕の身にもなってくださいよ…
あっ、二人とも走らないで!
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潜入!秘密の裏庭24!
著:良始澪 / 絵:うさくん
最近姫様が囲いはじめた鍛冶一家の人たちが風邪を引きました。
末っ子だけは元気だったんですが、姫様の裏庭に原因があると思っているみたいです。
姫様が最近こいつを気に入ってるのはちょっと気に入らないんですが、
こいつにもこいつの言い分があるみたいですし、
手伝ってやってもいい……かな
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橋渡しの左目
著:良始澪 / 絵:うさくん
知らない顔の軍人が、姫様を訪ねてきました。
王族を全部に面会して回っているらしいのですが、何が目的なんでしょうね。
それよりも、あの白髪の子……なんとなく、僕の正体に気づいてるような目をしてた気がするな。
あと……あのおかっぱの女の子の傍にいたおじさんの霊、なんでおかっぱなだろう?
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良始澪 今後製作予定
聖なる歌声(仮)
その高い歌声が枯れるとき
ともにもう少しだけ(仮)
そうかおまえも行きたいか
ひめさまのねがい(仮)
世界を救ってみたいかしら
PV
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地球夜のうさぎはなに見て跳ねる
著:松田佳 / 絵:うさくん
かつて人類の祖先がそこで暮らしていたのだという話を聞いたとしても、にわかに信じがたいという気持ちが沸き起こるのは、けっして不自然なこととは言えなかった。
地球という天体であること知られている。しかし、それはずっと頭上で穏やかに回り続けるだけのものなのだ。
仮にその主張が本当だったとしても、だからどうだというのだろう。ネーテルは自分のウォー・ラビットから地球を見上げて思う。
自分たちが今生きているのは、この月面にほからないのだ。
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ぼんやり原のモロー・ウェーン
著:松田佳
ぼんやり原という名称は正式のものではなく、ワイトとオリーの二人によって、いつのまにか定着した通称に過ぎなかったが、それはどうでも良いことだと言えた。
どうせ、ここには二人しかいないのだ。正式な名称なんていう概念に意味は無い。
二人がここをぼんやり原と呼ぶのなら、ここはたしかにぼんやり原だと言えるのだ。
そんなぼんやり原を、帆に風を受けたモロー・ウェーン号とともに、二人はゆく。
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鏡餅のうえのうさぎ
著:松田佳
傷つき疲れた満身創痍の白いうさぎが、巨大な鏡餅のうえに乗っている。
はるか昔、地球代。
それが祝いのためのものであったと知らされても、ネーテルの心が素直に踊ることはできない。
順風満帆といい、満願開花という。
しかし、現実はそんなに甘いものではない。
失ったもの、傷ついたもの、これからやってくるもの――
それらを思わないわけにはいかないのだ。
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おすもうさんライダー
著:松田佳
誰もが夢を抱えて生きていく。
それが大きくなればなるほど、到達点は遠く、そこまでの道のりは険しくなっていく。
たどりつけるのがごく一部の人であるということは、いいかえれば、ほとんどの人が道半ばに挫折するということでもある。
地に膝をつき、手をついて、身体中に疲労が満ちれば、身動きすらままならなくなるのだ。
そんな挫折者たちにむかって、また立ち上がれなどと誰が言えるというのだろうか。
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= Tasika Sanji =
- member -
Mio Yoshiji
Kei Matsuda
- category -
novel
- place -
Sapporo,Hokkaido
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